2015/04/28

雑木林の環境中での樹木と菌根菌とキンラン、ギンランという三者関係 清瀬市中里一丁目の雑木林で満開。私、ちっちゃい花にちっちゃい幸せを感じています。

掲載した写真は、東京都清瀬市中里一丁目の雑木林で、現在公開中のラン観察会場の様子です。
本日、午後、撮影しました。

ランと言っても「世界のラン展」で展示される園芸種ではなく、武蔵野特有の雑木林に咲く野生のランです。



ささやかですが、美しい花たちです。

本日のところ、中里一丁目では、キンランが盛りでした。

チゴユリはひとつ花を確認しましたが、葉っぱはたくさん出ています。
シュンランはやっぱり地味っぽく、いくつか咲いていました。

ギンランは、まだ少ないです。
まだこれからかもしれません。
ギンランは、近種のササバギンランもあるのですが、私は違いがよくわかりません。
葉に包み込まれるように花が咲く、というものがササバギンランと言われますが、どうでしょう。
キンランも良いですが、ちょっと地味なギンランもなかなかです。




なんというか、その……。
キンランは美しい、ギンランは綺麗、と言っておきます。
意味不明か……。

黄色いキンランに比べて、白いギンランは撮影が難しいです。
そもそも、白い花を撮影することが難しい上、ギンランはちっちゃいし、花は開かないし、しかも、ギンランやキンランの咲く季節というのは、雑木林につねに風が吹きます。
ゆらゆらしているちっちゃいものにピントや露出を合わせる、ううっ、むずかしいです。
オートフォーカスは逆に使いにくいので、マニュアルフォーカスで合わせ、近い場合は、フォーカス固定で、カメラ自体の距離を動かしてピントを合わせます。
これを動画で行うのはさらに難しい。

ところで、あちこちで言っていますが、キンランやギンランは植木鉢の中では育ちません。
雑木林のブナなどの根っこにつく菌根菌から栄養をもらって育ちます。
もちろん菌根菌は樹木がなければ生きることができません。

なので、キンランが育ち、花を咲かせるということは、健全な雑木林が維持されているという証拠であると言われています。

この三者の関係を発見したのは日本の研究者であるそうです。

とにかく、今年も、キンランギンランたちに出会えました。
中里一丁目の雑木林は今年もちゃんと生きていました。

ちっちゃい花にちっちゃい幸せを感じています。




ところで、キンランは毎年まったく同じ場所で伸びてくることを、私自身、清瀬市の竹丘公園で確認しています。
竹丘公園の管理小屋の裏側のへりで、毎年、盛りを過ぎて一輪、キンランが咲きます。
花はひとつだけつけます。

<この写真は竹丘公園の一輪のキンランではなく、中里1丁目のものです>

雑木林のふかふかした土ではなく、人が踏みしめている堅い土の、しかも土止めのカーペットが敷いてあるキワなのですが、しっかり顔を出します。
今年も遅れてはいますが、葉が伸びています。
毎年、遅れる株なので、本日の段階では、まだまだツボミも付けていません。


キンランは株によって花の数がさまざまです。
ひとつだけのものもあります。
「きよせびと」の親方によれば、毎年、株が大きくなって、花の数が増えるんだよ、と言います。
大きくなるとすれば、地下の根っこが成長することが考えられますが、私は、そうは思っていません。
キンランの花の数の多さは、株の大きさに関係すると思っています。
株の大きさとは栄養状態が関係し、栄養状態とはすなわち近くの菌根菌の豊かさなのではないかと仮定しています。
年数が経った株が花数が多くなるということは、現実的でないように思っています。

けれども「きよせびと」の親方は、言います。
「毎年、すこしずつ大きな株になって花が増えていくと思ったほうが、夢があるだろ。
雑木林の世話をする励みになるじゃないか。」

その通りです。

<近くに咲いていました。これは何の花? 不明です。花ニラではなく食用ニラの花かも?>




「きよせびと」の親方の発案によって、中里1丁目の雑木林で、期間限定の遊歩道が整備されました。いくつか案内板が立っています。

※本日は、写真だけでなく動画も撮影しました。ただいま編集作業中。近日公開予定。乞うご期待!