2018/09/02

誰でもできるiphone版の無料iMovieでカンタン動画編集

アップル社のiphoneは無料でiMovieという動画編集アプリを使うことができます。
操作は簡単で、今まで動画編集をしたことのない方でも、手軽に動画を作成することができます。

はじめに動画編集とは
いくつかの動画や写真、音楽やナレーションを組み合わせて、ひとつの動画作品を作ることをいいます。
ふだんテレビに流れるCMみたいなものです。

iphoneのiMovieではこうしたショートムービーが手軽に作ることができるのです。

この解説記事では、動画編集について、まったくの初心者の方が簡単に理解できよう、画面ショットを多用してわかりやすく説明します。

iphoneを片手にして、実際に操作しながら最後までお読みになれば15分程度で動画編集をマスターすることができます。
(ブックマークしていただくと画面の切り替えが楽になり、便利です。)

では、iMovieの学習をはじめましょう!


iphoneのデスクトップ画面です。

私は、アップル関係のアプリをひとつのフォルダにまとめています。
真ん中の紫色の中の星印のアイコンがiMovieです。
他のアイコンに比べて、目立っていますね。タップする(1回触れる)とiMovieがスタートします。

まだダウンロードしていない方はアップルストアに行ってダウンロードしてみてください。無料です。


プロジェクトの開始


iMovieがスタートしたところ。地味ですね。
上にプロジェクトと書いてあります。
十字架(プラス)の印が見えますね。これをタップ(押す)新しいプロジェクトが始まります。まったく初めての方は、このプラス印が真ん中にあります。

この解説画面では、すでにひとつ作ったプロジェクト(My Movie)があり、これはプラス印の右側にあります。

前に作ったプロジェクトはワードやエクセルと同じで、のちに手を加えたり作り直すことができます。
なお、複数作れば下に現れます。


プラス印を押すと、上のような画面になります。新規プロジェクトという文字が上に見えますね。

この解説記事では基本的な操作テクニックを学ぶことが目的なので「ムービー」というアイコンを選びます。

素材の選択


すると、動画の素材を選択する画面に切り替わります。
これは、iphoneの「写真」というアプリの中の写真や動画素材を参照しているところです。
上にモーメントと見えます。

左のメディアという文字をタップすると、別の素材を探すことができます。
ここでは、モーメントの中の素材を使用します。

画面を見ると、料理の写真サムネールが3つあります。
これは、それぞれが、10秒前後のムービーファイルです。

事前にiphoneで撮影したものです。
練習のためには10秒前後のムービーファイルを扱うことを推奨します。

それぞれのファイルをタップすると選択することができます。

なお、動画だけでなく、写真(静止画)も選択することができます。
動画と写真を効果的に組み合わせることで、テレビコマーシャルのようなプロモーション動画を作成することもできます。


3つのムービーファイルをタップして選択したところ。
選択したら、画面下の「ムービーを作成」の文字をタップします。
ところで、その下に「3項目 1分未満」という表示が現れています。
この表示があると、どのくらいの時間数なものか目処がたってたいへんよいです。


編集作業(カット編集など)



「ムービーを作成」の文字をタップしたあと、上記のような画面に切り替わります。
これが、iMovieの編集画面です。

編集画面のそれぞれの部分を説明します。

・画面下半分はタイムラインと呼ばれる部分です。動画の組み立てや長さを短くしたり、効果をつけたり、さまざまな作業をここで行います。

タイムラインとは時間軸を表します。
左から右へ時間が流れることを可視化したものです。

・画面上半分はプレビュー画面です。下のタイムラインの中で真ん中に白い線がありますが時間軸の中でこの線の場所を上のプレビューで見せています。

ちなみに、これはすべてのムービーファイルの最後なので、おしまいに合計時間として29.4秒と表示されています。


タイムラインのこの場所では醤油ラーメンのカットの一部ですね。


この場所ではタマゴ丼のカットです。


下側のタイムラインにご注目ください。
タイムラインは、ピンチすると、縮小したり、拡大したりします。

ピンチとは、2本の指で同時にタップして拡大や縮小を行うことです。
「ピンチイン」とはつまむようにして縮小することで、
「ピンチアウト」とは広げるようにして拡大することです。

タイムラインの拡大縮小は、動画の時間を短くしたり長くしたりすることではありません。
編集画面として、全体を見たり、部分的に拡大してみたりすることです。
ワードやエクセル等で画面の下に拡大縮小機能がありますが、それと同じです。



ひとつのムービーファイルを選択します。
タップすると黄色い線で囲まれます。


選択したあとに、ピンチアウトして、拡大してみます。
黄色い囲みの左右の太めの黄色をタップして動かすと、ムービーファイルの前後の長さを変えることができます。

例えば、ムービーファイルのはじまりのところをちょっと削って、時間を短くしたい、というときに、左端の黄色をタップして、右に動かすと削ることができます。

ところで、ムービーファイルを選択すると最下部に文字とアイコンがいくつか現れます。
プレビュー画面の位置を表す白い縦線は醤油ラーメンの真ん中あたりです。

醤油ラーメンのムービーファイルは7秒のものですが、これを半分に割ります。
「分割」という文字をタップして、3秒あまりのふたつの長さのものにします



「分割」したところです。タイムラインの左側が7秒のうちの前半の約3秒、右側が後半3秒です。

これは動画編集の基本中の基本のテクニックです。動画編集の本質はこの切ったり貼ったりなのです。

もし、後半がいらないと思えば、上記の画面のように後半を選択したのちに、下の「削除」という文字をタップすれば削除できます。

また、「複製」という溝をタップすれば、文字通り、もうひとつの同じムービーファイルが横に現れます。
繰り返し表現したいときには活用できるかもしれません。

なお、画面の真ん中の右側にUターンを表すような矢印のアイコンがありますが、これを押すと、直前に行った作業を無かったことにして元に戻すことができます。






「切り離す」をタップすると……。
ムービーファイルの下に青く太いラインものが現れます。これは、このムービーファイルの中に同時録音された音声ファイルです。

この青いラインの左右の端が斜めに切れているように見える部分があります。
これは、フェードイン(音量小から音量大)、フェードアウト(音量大から音量小)を表しています。

この青い太いラインの高さが音量を表すようになっています。

なお、この青い部分を削除してしまうと、音声は無くなり、映像だけになります。
音声を消す方法は他にもありますが、のちに説明します。






ムービーファイルは、前後を入れ替えることができます。
上の画像では、タマゴ丼、醤油ラーメン、タンメンの順番で、時間軸が組み立てられています。
ファイルを読み込む際の順番が、そうだったからです。

これを入れ替えるには、タップしたまま(触れたまま)指を移動し、置きたい場所に着地させて、指を離します。

例として、醤油ラーメンの順番を変えます。


醤油ラーメンのムービーファイルを先頭に移動させたところ。


文字の貼り込み


文字の張り込みを解説します。
まず、張り込む土台となる、ムービーファイルを選択します。

ちなみに、iphone版のiMovieでは、ムービーファイル間をまたぐように文字を入れることはできません。ひとつのムービーファイルにひとつの説明、という、このアプリの考えなのだと思います。

下側の「T」という文字のアイコンをタップします。

これは、テキスト、あるいはテロップという意味だと思ってください。

「標準」「プリズム」「グラビティ」「リビール」「ラインタイトル」などという文字のアイコンが現れ、アニメーション表示されます。

右側に動かせば、さまざまな種類が表示されます。1行しか表示できないもの3行表示できるものなどがあります。



「標準」を選んでみます。
3行のものです。


それぞれのタイトルをタップすると、入力可能になります。



醤油ラーメン、と入力したところ。


タマゴ丼、と入力したところ。 ちょっと動画コンテンツらしくなってきました。

「標準」「プリズム」「グラビティ」「リビール」「ラインタイトル」などの文字効果をいろいろ試してみると面白いですね。


タンメン、と入力したところ。値段も入れれば、お店のメニューの宣伝にも使えますね。


それぞれのムービーファイルに、テキストを入れました。
タイムラインのそれぞれの画像の左上に「T」というマークが見えます。


音楽(BGM)を入れる


音楽(BGM)を入れる。
通常の編集画面の左下にある歯車アイコンをタップすると、プロジェクト設定の画面に切り替わります。


プロジェクト設定の画面に切り替わったところ。

音楽、BGM(バックグラウンドミュージック)を入れてみます。
音楽については、それぞれのムービーファイルをまたいで入れることができます。
またいで、全体に設定することが基本です。

入れることのできる楽曲は、iPhone版のiMovieでは1曲だけですが、種類は豊富です。

画面中央のテーマから選び、テーマ曲をチェックして有効にします。

「黒からフェードイン」というのは、ムービー全体が始まるときに、真っ暗からすっと明るくなって映像が浮かび上がる効果です。
「黒へフェードアウト」はその逆です。チェックしておいたほうが、ちょっとだけカッコよくなります。

このページは、音楽だけでなく、プロジェクト全体を設定するところなので、最上部にムービーファイルの色味(カラーコレクション)を変更することもできます。

面白いですが、やりすぎになることもあります。

とくに、人の顔が写っている動画の場合は、ちょっと変になる場合があるのでご注意ください。


この画面で、右上の「完了」の文字をタップすると、設定が完了します。


編集画面ではタイムラインに緑色のラインが現れました。これが音楽ファイルです。今回選んだ「愉快」という音楽の名称も記されています。


音楽ファイルの緑色のラインをタップすると、太くなります。


下側のスピーカーボタンを押すと、音量の変更ができます。
音量調整のインジゲーターが出てきます。これを左右にスライドさせて変更します。



同じように、ムービーファイルの音量を変更できます。
ムービーファイルを選択し、下側のスピーカーアイコンをタップすると、音量調整のインジゲーターが出てきます。

このようにして、ムービーの同録の音声と音楽(BGM)のバランスを調整することができます。

ムービーの中の話し言葉を強調したいときには、音楽(BGM)の音量を下げるようにしましょう。

色合いを変更する


個別のムービーファイルの色味を変更する方法です。

ムービーファイルを選択した後に、下側の3つの丸が重なり合った形のアイコンをタップします。すると、ドリーミー、ビンテージ、ブラスト、ブロックバスターなどの言葉のアイコンが現れます。

いろいろあるので、確かめてみてください。やってみて、気に入らなかったら、変更することは簡単です。

ところで、ブロックバスターとは、ハリウッド映画の用語で、地域の劇場のほとんどを一本の映画で埋め尽くして、街のブロック(ストリートの丁目みたいなもの?)を席巻してしまうような大ヒット映画の色合いのことを意味しています。



タンメンのムービーファイルでは、「ブラスト」という効果を選んでみました。
画像の周辺が少し暗くなる効果で、真ん中が強調されますね。

このことをカメラのレンズの用語で、周辺減光と言います。

周辺減光してしまうことはレンズの性能としてはよくないことなのですが、それが逆に味が出て愛用するカメラマンもいるようです。私もその一人です。

今回はそんな効果を使ってみました。初心者でもなかなかカッコよく表現できる手法のひとつです。


スロー再生や早送り再生


スローモーションや早送りの設定。
ムービーファイル選択後、下側の時計のようなスピードメーターのようなアイコンをタップすると、ムービーの速度が変更できます。

スローモーションや早送りで、面白い効果が出ますが、音声もいっしょに速度が変更されるので、注意が必要です。

動画の速度変更をして、音声が不愉快になる場合には、音声を下げたほうがよいです。

速度のアップは映像がコミカルになる傾向にあり、速度のダウンは、詩的(?)な感じになる、かもしれません。

つなぎ(トランジション)


「つなぎ」の設定です。
ムービーファイルをつなぐことをトランジションとも言います。
iMovieでは、このつなぎ(トランジション)を、さまざまな効果を付けて設定することが可能です。

まず、ムービーファイルの間にある小さなアイコンを選択します。
初期設定では、ディゾルブという効果になっています。

蝶々のような形、エレベーターで閉めることを表すボタンにも似ています。

ディゾルブという効果は、前後のムービーの端が混じり合うようにつながることを言います。最下部では、この効果の時間も設定できます。

0.5秒という短い時間のディゾルブでは、さっと混じり合いながら転換します。
2秒のディゾルブは、ゆっくり転換しますので、回想シーンなどに適します。

トランジションにも、いくつか種類があります。スライド、ワイプ、フェードなどがありますが、テーマというトランジションは、プロジェクト設定で選んだ特有のトランジションが設定されます。

重要なのは、実は「なし」というトランジションです。

効果を付けないという意味ですが、実は、通常のテレビや映画は、トランジション「なし」のカット編集で構成されていることが多いです。

「なし」のほうがキビキビした映像になることもあり、なんでもかんでも初期設定のディゾルブにすることは避けたほうがよいです。



 これは、テーマに即したトランジションを選んだところ。


「フェード」という効果は、ディゾルブと似ていますが、いったん暗くなって、そして次のムービーファイルが明るくなる、という動画の接続効果です。

しっかり区切りをつけたい、段落のような効果ですね。

仕上げ(書き出し保存)

SNSアップロード


ここからは、仕上げです。
さまざまな組み立てや効果を付けたものを、ひとつの動画に仕上げる手順です。

常に、画面左上に出ている「完了」という文字をタップします。

すると、上記のような画面に切り替わります。

ここで、My Movieとか、MyMovie1とか表示されますが、この文字をタップすれば、任意の動画のタイトルに変更できます。このタイトルは、動画の中身には出てきません。

「編集」の文字をタップすると、文字通り、編集作業の画面に戻ります。
「プロジェクト」(画面左上)をタップすると、プロジェクトが並んだ画面になります。




この解説記事の一番始めには、ラーメンのプロジェクトが無かったですが、今は、ラーメンの動画のプロジェクトがここに並んでいます。


ここから、保存や他への書き出しを説明します。
まず、MyMovie1の個別プロジェクトのページから、最下部の真ん中のアップロードマーク(追加・共有・保存を意味します)をタップします。

四角の上向きの矢印が描かれているマークです。



すると、こんな画面。写真をSNSにシェアする方にとっては、おなじみですね。

もちろん、ここからフェイスブックやインスタグラムに直接アップロードすることができます。



iphone版iMovieでの動画編集は、これこそが、醍醐味かもしれません。
さっと作って、さっとSNSにアップロードする。

自宅に帰宅後、パソコンの動画編集ソフトと格闘して、がっちりとした作品を作るというより手軽に動画でのメッセージを広めることに適しているのかもしれません。



今回は、「ビデオを保存」を選びます。作ったものを、のちに、パソコンに保存しておきたいと考えて、これを選びました。


 書き出しサイズの選択画面です。
やはり、一番画質のよい、「HD-1080P」を選びました。

今回は30秒の動画なので1080サイズでも容量が大きくなりません。

数分の動画の場合は処理時間がとてもかかります。

iphoneのメモリ等に性能によっては数分の動画は不可能である場合があります。
やはり、iphoneで動画を作成する場合はせいぜい3分ほどでしょうか。

とは言っても、3分とは短い時間ではなく、テレビコマーシャルの多くは30秒だったりします。



この画面が出たら、編集した動画の書き出しが完成し、終了です。
OKの文字をタップし、終了します。

完成した動画を確かめるためには、iphoneの「写真」アプリを起動すると、そこに、編集後の動画があります。


上の動画は、出来上がった作例です。Youtubeにアップロードしました。30秒です。

おわり
これで、この動画解説記事は、終了です。
実際、自分で、操作してみて、慣れることが一番たいせつです。

もし、わからなくなったら、ふたたび、この解説記事に来ていただき、見直していただきたく思います。
ブックマークしていただくと便利です。

また、今回、書き足らなかったこともあります。
この記事の続編も現在企画中です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


以下の記事もどうぞ!

アップル社iphoneのClips動画編集アプリの使い方
https://ohirome.blogspot.com/2019/10/iphoneclips.html