ペストフの三角形と ゴーギャン
「わたしたちはどこからきて、どこへいくのか」という意のタイトルの油絵を描いたのはフランスの画家ポールゴーギャン。
これは人類の行く末を案じてのことなのか? などと、ときどき思い返すこの言葉をちょっと借用して、そして、ペストフの三角形を使って、グループ活動のチームビルディングやワークのアイスブレイキングとして使ってみたりしてします。
ペストフさんは事業についてのマッピングのためにこの図を編み出したと思うのですが、私としてはこれに過去現在未来という時間軸を加えてみて、さらに、複数の人にマッピングしてもらうことよって、偶然に寄り集まったかのように見える人たちそれぞれの指向性を可視化し、点描によって未来現在過去のチーム全体の流れを可視化しようとする試みです。
まるで、海中のイワシの群や、夕方のムクドリの群れのようでしょ。
それらの群はリーダーがいないのに、とても美しく芸術的とも言える集団行動を見せてくれますよね。
ところで、自分はNPO支援の人として、多くのNPOの人たちと出会い、熱意を持って事業の方向性や理想を語っていただくことも多いのですが、言葉だけではなかなか伝えにくく、またそれはメンバー内部の方々でさえそれらを共有していないこともあります。
そんなとき、このような思考実験をしてはいかがかと思うのです。
先日、大学生が勤務先にインターンとして来訪し研修をしていただく機会があったのですが、その際、このペストフの三角形(公共と企業とコミュニティ)に時間軸を加えたワークをしていただきました。
図の中に色シール、緑色(遠い過去)、黄色(近い過去)、オレンジ色(現在)、赤色(未来・2個)とし、それぞれ、公共と企業とコミュニティという場所にマッピングしていただきます。
それぞれが自分の用紙に色シールを貼り付けていただいたら、それらをひとつの大きな用紙に貼り直し、集団として点描しさらに矢印でつなげて表現します。
ビッグデータの可視化のちっちゃい版といったところでしょうか。
結果は写真の通り、3人なので少なかったのですが、今回のメンバーは、家族やコミュニティのような過去から出発し、未来は公共や平等のようなところへ行きたい望みが伺えます。
逆に言えば、自由を強く意識した商売を行うことの指向は少ないようでした。